Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
せいしまんじどもえ
生死卍巴
国枝 史郎
Lesen Sie 生死卍巴 (せいしまんじどもえ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.598 Zeichen · 182 Bildschirme
「これは極東の教主様の、御意の通りと存じます」
老将軍とでも形容したいような、頑健な老武士はこう応じたが、その声には一種の不快さがあって、信用の置けない老獪な人物――と云ったように感じられた。しかし極東のカリフ様と呼ばれた、若い気高い侍には、一目も二目も置いていると見えて、物言いも物腰も慇懃であった。
「あの両眼がよくないのだよ。もちろん値打ちを知らない者には、変わった単なる石ッころとして、無価値の物に映るであろうが、知っている者には宇宙にも見えよう」
「これは極東のカリフ様の、お言葉の通りにござります。両眼の価値を知りました者には、宇宙にもあたるでござりましょう。が、幸いにもこの国には、ああいう物の偉大な価値を、知っておる者は少ないようで」
「いやいやそうでもなさそうだよ。わしも知っていればお前も知っている」
「さあその他にございましょうかしら?」
「あの品物がこの国へ渡って、五年になると云うことだが、いまだに行衛がわからない。――ということから推察すると、われわれ二人以外の者で、あの両眼の素晴らしい価値を、知っている者が確かにあると――そう云うことも云われそうだよ」