Japanische Klassiker mit Furigana
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しろいかべ
白い壁
本庄 陸男
Lesen Sie 白い壁 (しろいかべ) von 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.697 Zeichen · 51 Bildschirme
の学級の特質とを充分慎重に考慮研究した上の決定であります。――学問をしたい、そうしたならばと一図に思い詰めた少年の杉本がいた、官費の師範学校でさえも(彼はそのさえもに力を入れて考える)知人の好意に泣き縋らねばならぬ家庭であった。喘息病みの父親と二人の小さな妹、それらの生活が母親だけにかかっていた。仕事といわれるかどうか知らないが、母親は早朝からのふき豆売り、そして夕方はうどんの玉を商った。手拭をかぶった小柄の女が、汚れた手車をひき、鈴をならして露地から露地に消えて行く。――そんな家に大きくなった杉本は、時たまの弁当に有頂天のよろこびを語るこの子供が、ひりひりと胸にひびいてきた。今になって杉本は、この低能組の受持に恰好した自分を発見した。すると発育不全の富次が自分の肉体の一部分みたいにいとおしくなり、濡れた着物のままぐいと脇の下にひきよせて二階三階と駈けあがるのであった。
二
月曜朝の第一時間目には、どの教室にもいちように修身科がおかれていた。びっしり詰った十三坪何勺かの四角な教室からは、たからかな教育勅語の斉唱が廊下に溢れでた。躾のいい組と言われている子供たちの声が、いたって単調なリズムを刻みながらそれを繰りかえした――