Japanische Klassiker mit Furigana
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しろいはなあかいくき
白い花赤い茎
田中 貢太郎
Lesen Sie 白い花赤い茎 (しろいはなあかいくき) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.634 Zeichen · 12 Bildschirme
彼女は一刻も早く山を越したくなった。
「ではお婆さん、此所に六つ残ってるから、これを半分あげる、早く歩こうじゃないか」
寡婦は三つの餅を執って老婆にやった。老婆はそれをびしゃびしゃ喫って歩いたが、直ぐまた背後を向いてぎろりとした眼を光らした。
「お媽さん、も一つ貰いたいよ」
寡婦はもう餅などを惜しんでいられなかった。彼女は残りの餅を黙って老婆の手に渡した。
「お婆さん、早く歩こう」
老婆は二三歩歩いたがもう背後を向いた。
「お媽さん、も一つ貰いたい」
「餅はやってしまったじゃないか、もう他に何もないよ」
「お媽さんの生命だ」
老婆の口はみるみる中に耳の辺まで裂けて、寡婦に飛びかかった。
留守居をしていた三人の小供は、夕方が来ると門口に出て観音山の方を見ていた。日は次第次第に暮れて、観音山のむこうの方に見えていた赤城山の姿も何時の間にか隠れて、暮烟が四辺にうっすらとかかると、観音山の裾に点けた灯明の灯が、怪物の眼のようにきらきらと光りだした。小供等は怖くなって家の内へ入った。
そして、地炉の火の前で母の噂をしていたが、どうも帰って来そうな模様が無ので、総領女は二人の年下の弟妹に、