Japanische Klassiker mit Furigana
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しろいかや
白い蚊帳
宮本 百合子
Lesen Sie 白い蚊帳 (しろいかや) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.800 Zeichen · 18 Bildschirme
「こうやって寝ていると、昔のことをしきりに思い出してね、お祖母さまがいらしったうちに、いろいろ伺って置かなかったのが本当に残念だよ。――御自分でも話して置きなさりたかったんだねえ、春頃、もう喋って喋って、私の方が閉口してしまいました」
明治二十五六年頃住んでいた築地の家の洋館に、立派な洋画や螺鈿の大きな飾棚があった。若い自分が従妹と、そこに祖母が隠して置いた氷砂糖を皆食べて叱られた。その洋画や飾棚が、向島へ引移る時、永井と云う悪執事にちょろまかされたが、その永井も数年後、何者かに浅草で殺された事など、まさ子は悠り、楽しそうに語った。向島時代は、なほ子も聞いた話が多かった。それから、昌太郎が外国へ行った前後の話。――母の生涯のこれまでの生活全体が、くっきりなほ子の前に浮び上って来た。
なほ子は母の老いたことを沁々感じ、さっき彼女自身、祖母について云った口うらから、母が飽きず思い出話をするのが、水のように淋しかった。
午後、復興局に働いている若者が見舞いに来た。区画整理で、寺の墓地を移転するについて、柳生但馬守の墓を掘ったら、中には何もなかったと云う話をした。