Japanische Klassiker mit Furigana
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しらゆきひめ
白雪姫
久生 十蘭
Lesen Sie 白雪姫 (しらゆきひめ) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.723 Zeichen · 21 Bildschirme
どのみちガイドなしでやれることではないから、シャモニーでガイドを呼んでもらった。一人は手も足も黒々と陽にやけた、いかにも山男といったたのもしそうな中年の男で、もう一人のほうは、見た眼に感じはいいが、チョコチョコした軽率そうな男で、ガイドというものの苦労を、これでもかというほど誇張して話す。見れば見るほどいやになって、山男のほうにしようというと、ハナは、あんな木の根っこのような男はごめんだといい、それで喧嘩になり、しようがなくて二人に帰ってもらった。
詮じつめたところ、今日の災難は、なにもかも、ハナの気まぐれと、依怙地な根性からはじまったことだといっていい。阿曽は、氷河のハイキングなどに、経験も自信もあるわけではなかったから、いくどもやめようといいかけたが、反対すると、どこまでも絡んでくるハナの我儘な性情を知っているので、勝手にしろと投げてしまった。いずれひどい目に逢うのだろう、すこし懲りさせたほうがいいというくらいの気はあったが、いくら手に負えない悪性女だからといって、ハナのいうようなことを考えているわけはなかった。
夕方になると、きまって山を襲う、驟雨の時間が近づいたとみえ、どこかで雷が鳴っている。