Japanische Klassiker mit Furigana
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しらゆきひめ
白雪姫
久生 十蘭
Lesen Sie 白雪姫 (しらゆきひめ) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.723 Zeichen · 21 Bildschirme
三
暗くならないうちに氷河を渡りきって、トゥルの小屋へたどりつかなければ、とんでもないことになると思うと、気が気でなくなった。
三
水筒に残った水を飲みわけ、山の端に残る陽の光に力づけられながら、そこからさまよいだした。三十分ほど下ると、ネヴェという質のわるい濡れ雪にぶっつかった。雪の表面がいちど溶けてまた凍り、ガラスのような薄い表皮をかぶって光っている。氷かと思って踏みこむと、ズブズブと足首まで埋まってしまう。その下にどんな剣呑なものが隠れているか見当がつかないので、うっかりできない。
阿曽は、おれの足跡を踏みはずさないようにしてついて来いとハナに注意し、ピッケルを突きだして、骨の折れる模索行進をやっていたが、ようすが変なので振返ってみると、ハナは眼をつぶったまま、勝手なところをフラフラ歩いている。
「だめだよ、そんなところを歩いちゃ……むずかしいところをやっているんだから、イライラさせないでくれ」
ハナは高飛車にやられたのが癪にさわったらしく、
「いや」と依怙地に濡れ雪のうえに坐りこんでしまった。
「いやといって、どうするんだい」
「歩けないから、ここで休んでいる。