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Japanische Klassiker mit Furigana

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しらがこぞう

白髪小僧

杉山 萠円

Lesen Sie 白髪小僧 (しらがこぞう) von 杉山 萠円 (すぎやまほうえん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.770 Zeichen · 194 Bildschirme

Aozora Bunko

姉上様の御名前は、花の色添う濃紅姫。

妾は大切な姉様の、世にも目出度い御仕合わせ、

嬉しい事と思いつつ、楽しい事と思いつつ、

自分は独り居残って、昨夜の夢の御姿、

白いお髪の御方を、又無いものと慕うては、

淋しく暮す身の上を、誰かあわれと思おうか。

よしや憐れと思うても、よしや不憫と思うても、

昨夜の夢をくり返し、又見る術はないものを、

青い空には雲が湧く、けれども直ぐに散り失せる。

黒い海には波が立つ、けれども直ぐに消えて行く。

消えぬ妾のこの思い、見たか聞いたか解ったか。

空行く鳥を追い止むる、それより難いこの願い。

早瀬の香魚を掬い取る、それより難いこの願い。

夢かまことかまだ知らぬ、うつつともないまぼろしを、

愚かに慕うこの心、見たか聞いたか解ったか」

藍丸王は我れを忘れてこの歌に聞き惚れていた。そうして昨夜の夢の続きでも見ているように、美留女姫の姿を想い浮めていると、暫く黙っていた鸚鵡は又もや頭を低く下げて前と同じ声の同じ節で違った歌を唄い出した。

「青い空には雲が湧く、けれども直ぐに消え失せる。

黒い海には波が立つ、けれども直ぐに凪いでゆく。