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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんじゅふじん

真珠夫人

菊池 寛

Lesen Sie 真珠夫人 (しんじゅふじん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 289.296 Zeichen · 578 Bildschirme

Aozora Bunko

「貴君は、良心を持っていますか。」

「良心を!」と、荘田は直ぐ受けたが、問が余りに唐突であったため暫らくは語に窮した。

「そうです。良心です。普通の人間には、そんなことを訊く必要はない。が、人間以下の人間には、訊く必要があるのです。貴君は良心を持っていますか。」

直也は、卓を叩かんばかりに、烈しく迫った。

「あはゝゝゝゝ。良心! うむ、そんな物はよく貧乏人が持ち合わしているものだ。そして、それを金持に売り付けたがる。はゝゝゝ、私も度々買わされた覚えがある。が、私自身には生憎良心の持ち合せがない、はゝゝゝ。いつかも、貴君に云った通り、金さえあれば、良心なんかなくても、結構世の中が渡って行けますよ。良心は、羅針盤のようなものだ。ちっぽけな帆前や、たかが五百噸や千噸の船には、羅針盤が必要だ。が、三万とか四万とか云う大軍艦になると、羅針盤も何も入りやしない、大手を振って大海が横行出来る。はゝゝゝ。俺なども、羅針盤の入らない軍艦のようなものじゃ。はゝゝゝ。」

荘田は、飽くまでも、自分の優越を信じているように、出来る丈直也を、じらすように、ゆっくりと答えた。

それを聴くと、直也は堪らないように、わなわなと身体を顫わせた。