Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんじゅふじん
真珠夫人
菊池 寛
Lesen Sie 真珠夫人 (しんじゅふじん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 289.296 Zeichen · 578 Bildschirme
六
何と云う! 獣のような図々しさだ。よし、やって来い。やって来るがいゝ。来れば、面と向って、あの男の面皮を引き剥いて呉れるから。」
父は、そう云いながら、奉書の巻紙を微塵に引き裂いた。老い凋んだ手が、怒のために、ブル/\顫えるのが、瑠璃子の眼には、傷ましくかなしかった。
六
父も瑠璃子も、心の中に戦いの準備を整えて、荘田勝平の来るのを遅しと待っていた。
手紙が来た日の翌日の午前十時頃、瑠璃子が、二階の窓から、邸前の坂道を、見下していると、遥に続いているプラタナスの並樹の間から、水色に塗られた大形の自動車が、初夏の日光をキラ/\と反射しながら、眩しいほどの速力で、坂を馳け上ったかと思うと、急に速力を緩めて、低いうめくような警笛の音を立てながら、門前に止まるのを見たのである。覚悟をしていたことながら、瑠璃子は今更のように、不快な、悪魔の正体をでも、見たような憎悪に、囚われずにはいられなかった。
自動車の扉は、開かれた。ハンカチーフで顔を拭きながら、ぬっとその巨きい頭を出したのは、紛れもないあの男だった。何が嬉しいのか、ニコ/\と得体の知れぬ微笑を浮べながら、玄関の方へ歩いて来るのだった。