Japanische Klassiker mit Furigana
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しんじゅふじん
真珠夫人
菊池 寛
Lesen Sie 真珠夫人 (しんじゅふじん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 289.296 Zeichen · 578 Bildschirme
が、それもこれも無駄だった。先刻聴いたばかりの青年の怨みの声が、落ち着こうとする美奈子の心の裡に、幾度も/\甦って来た。
その裡に、二時が鳴った。
烈しい興奮のために、頭脳も眼も、疲れ切っていながら、それが妙にいら/\して、眠は何うしても来なかった。
その裡に、到頭三時が鳴った。
遉に、彼女の意識は疲れてしまった。不快な、重くるしい眠が、彼女のぐた/\になった頭脳を蝕み始めていた。現ともなく夢ともないような、いやな半睡半醒の状態が、暫らく続いた。彼女はとろとろとしたかと思うと、ハッと気が付いたり、気が付いたかと思うと、深い泥沼の中に、引きずり込まれるように、いやな眠りの中に、陥って行ったりした。
彼女が、砂を噛むような現と、胸ぐるしい悪夢との間に、さまよっていたときだった。彼女は、何者かが自分を襲って来るような、無気味な感じがした。寝室の扉が、かすかに動いているような感じがした。自分に襲いかゝっている人の足音を聴くような気がした。が、それが夢であるか現であるか確める気にもなれないほど、彼女の意識は混沌としていた。
到頭、悪夢が、彼女を囚えてしまった。