Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅうさいようしかがみ
秀才養子鑑
佐々木 邦
Lesen Sie 秀才養子鑑 (しゅうさいようしかがみ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.837 Zeichen · 32 Bildschirme
「あの細君もやり手らしい。食辛抱だからこんなことになりましたって、小室君を扱き下す」
「美人だね」
「うむ。そこへ持って来て小室君は橘組だから、益※(二の字点、1-2-22)頭が上らない」
「養子かい? 彼奴」
「うむ。この間親父が死んだろう? 立派な家だったじゃないか? 養父の威光で入って来たのらしい」
「養子即ち秀才か? そういえば蒲柳の質で、一寸秀才タイプだね」
「錚々たるものさ」
というような次第だった。好評は無形の資産だ。長の年月には入院費ぐらい償って余りある。
再度の盲腸炎もさることながら、就職半年と少しで長く欠勤すると思うと、小室君は甚だ心苦しかった。そこで頻りに全快を急いだが、そうは行くものでない。イラ/\しながら、三週間病院にいた。暑中休暇で差引いて貰っても、養父発病の折を加えると、二週間以上足が出る。根が小心翼々の小室君だ。その分を内容的にと考えて、毎日の勤務に念を入れた。天晴れの心掛が幹部に通じたのか、上半期のボーナスを当り前に貰った上に、俸給が昇った。同時にもう一枚辞令を頂戴した。○○鉱業所勤務を命ずというのだった。山へ行かなければならない。