Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(三)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(三) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 222.108 Zeichen · 446 Bildschirme
それだけに帝や妃たちは「……はるけくも来つる」という無量な感を、ここでは新たにされたようでもある。
「もぐさはないか」
廉子からの求めに、道誉はさっそく、土地の者からそれを求めて御座へもたらした。やがて灸のにおいが行宮の一間から洩れた。後醍醐のお背と三里へ、廉子が灸治してあげていた。
供御もその夜は格べつな御食が進められ、山のわらびや川魚をさかなに、帝は三名の妃をお相手に深く酔われたらしい。侍者の催馬楽歌も嫋々と哀れに聞えた。
同じ夜のことだった。
院ノ庄の附近に、神戸とよぶ部落がある。いわば村社といったものか。そこの森の神木を、高野明神とあがめ、そばに古い祠堂があった。
「……備後。星もだいぶ夜更けたようだの」
「あれが北斗でございますな」
二人は、堂の縁から仰いでいた。児島高徳と、大覚ノ宮とである。
事むなしく、船坂峠で一たん軍を解いて権ノ五郎とも別れた高徳は、後醍醐の御子(じつは異母弟)の大覚ノ宮と共に、あれから道もない和気郷の山奥へ分け入り、きのうの雷雨の頃は、蓑笠着て、津山川の下流をいそいでいた。
「ひと目でも」
と、大覚ノ宮は、後醍醐を慕い、高徳もまた、