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Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(三)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(三) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 222.108 Zeichen · 446 Bildschirme

Aozora Bunko

と、警固引き継ぎの言上とともに、清高を、帝座の人々へひきあわせた。

侍者の一人、千種忠顕は、

「おう、そちが隠岐ノ判官なるか。行く末たのむ」

と、上で言った。

そこの濡れ縁からすぐの、小暗い一室には、御簾もなく、後醍醐のお姿もあらわに見えていたのであった。

おそらくは、帝にしても「これから先、隠岐ノ島とやらで、儂の監視役として付く武者とはどんな男?」と、かくべつな御心で、彼を見ずにはおられなかったことであろう。

しかし打ち見やるところ、清高は四十前後の平凡な武者で、そう強らしげな男でもない。

のみならず、道誉とは同じ佐々木姓で、その祖も同じ近江源氏の定綱から六世の孫でもあると聞かされて、

「そうか。それや浅からぬ縁ではある。佐々木から佐々木の手に渡さるることならば」

と、一条行房も言い、物蔭にいた妃たちまでが、帝をかこんで、ほっといくらかは胸なで下ろした様子であった。

ここで船待ち三日。

いよいよ、帝以下、明日は美保ノ関を離れて島へ渡るときまった。

前日の夕である。隠岐ノ判官佐々木清高は、赤々と夕焼けに燃える船泊りの一艘に立って、

「万一の惧れもある。