Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(五)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(五) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 252.330 Zeichen · 505 Bildschirme
せめて税物の面でその不奉公を償わねば、相すむまいが」
「とはいえ、わが新田領の稲も銭も、まったく余力はありませぬ。領民どもからも、しぼれるだけの物はしぼって、すべて軍費にささげつくしています」
「そうはいわさん。国府の調べでも、また近国の目でも、新田ノ庄ほど富有な所はないとみないっておる」
「よそ目には、でしょう」
「いやいや、そうでない。この天下大乱の折に、悠々と、節句遊びの豪奢なご酒宴ぶりなどは。……柳営ですら、ことしはお取止めになった」
「子供のための祭りぐらいがなんで悪い。とまれ、五日以内に、銭五万貫の調達などは思いもおよばぬ。政所へは悪しからず、おとりなし給わりたい」
「虫のいいことを。さような悪例をひらいては、よその領主への徴税にも事を欠く。よろしい、世良田のお館でできぬなら、直接、われらの手で当地の庄家(庄屋)や富豪から、それだけの物を徴発して行こう。さもなくば、むなしく鎌倉へも立帰れぬ」
「ご存分に」
と、義助は言って、それ以上は、さからいもしなかった。そしてすぐ座を立ちかけ、
「新兵衛。ご両使はまだ当分ここにおいでらしい。せめて、おもてなしでもしてさしあげろ」