Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(五)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(五) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 252.330 Zeichen · 505 Bildschirme
そして五月二日に事を決行したのだった。
その五月二日は。
上方では高氏が、丹波篠村で離反を宣言したあの七日前にあたっている。で、高氏は丹波入りの直前に、都から隠密たちへ、
「時を移さず行れ」
と、飛報していたものに相違ない。
同様な飛命は、伊豆山へもとどいていたろう。伊豆山には、もうひとりの庶子の竹若が質となっている。
かねがね、用意のことなので、千寿王の大蔵脱走はさして困難でもなかった。紀ノ五左衛門が馬の前つぼにお抱きして、蓑をかぶせ、百姓親子のごとき恰好で、夜の白々明けごろ、雑人通行の群れに交じって山ノ内街道の木戸を越え出ていたのである。また身なりさまざまな二十人の家士も、前後して藤沢方面へ走り、後、奥武蔵の丹党の間に匿われてきたものだった。
これを諸書には、下野に隠れたとあるが、足利の国元へはすぐ追捕が廻っていたろうことはいうまでもない。またすでに高氏はむほんしたのだ。千寿王がわざわざ危地へ行くはずはない。
武蔵七党の一つ、丹党の一族安保ノ丹三郎忠実が彼を守った。そして義貞の南下の日を待ったのである。
「そうか」
義貞は、聞き終って。
「では、安保ノ丹三郎も供のうちか」