Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(五)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(五) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 252.330 Zeichen · 505 Bildschirme
主戦場は、三街道の口と見られ、仮粧坂のかためには、金沢左近大夫有時を大将に。
また、極楽寺方面へは、大仏陸奥守貞直を将とし、ここへは兵力も一万以上、もっとも、重厚な守備をみせている。
いや、守備籠城のかたちではなかった。
敵に長陣を強いて、長期籠城の戦法なら、こう全力をあげて、打っては出まい。
一気に、迎え打って、敵を粉砕するの気でいたのである。――鎌倉武士の気負いとして軍議は必然そうなったろう。――また連戦の息やすめもせず、ひたぶる急下してきた敵勢でもある。
「疲れを打て」
ともしたにちがいない。とにかく、上方でも武蔵野でも連敗は喫してきたが、なおそれくらいな意気はあった。また自信していい兵数もあった。しかも、受けて立つ位置からみれば、北の山ノ内、仮粧坂の隘路、大手の浜道稲村ヶ崎、三方面どこも地の利は味方にある。
十七日の夕、赤橋軍は山ノ内を北へ越えていた。
同夜、雨の中。
洲崎、青船に陣す、とある。
洲崎はいまの北鎌倉の山崎あたりか。
青船、あるいは、青船原ともよばれていたのは、現在の大船である。
あけて十八日のたたかいは、まずこの辺の喊声からわき起った。