Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(五)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(五) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 252.330 Zeichen · 505 Bildschirme
――まるでわが新田軍は、なきかのごとくに」
「いやないとはいわぬ。ただ新田だけの軍功ではないと話していたのだ。もし若御料の御旗が加わっていなければ、関八州から東北の武者までが、かほどまでには馳せ集まるまい――といったのが、どうして悪い」
「だまれっ、たかだか数百の小勢をつれ、鎌倉入りの途中で入って来た洟タレ御料の陣借り者が、なんであの凄まじい激戦に寸功でもあったといえるか」
「なに、洟タレ御料だと」
「まだ四ツか五ツの御料なら、そう申しあげてもよろしかろう。いわば陣中のやッかい者だ。それを粗略にもせず、足利御名代としておくのも、まったくわが殿義貞さまのお情けだわ」
「うぬ、もういちど申してみろ」
「何を」
「いまの悪たれを」
と、若いほうは、蒼白になった。たしかに昼酒の気もみえる。
とかく民間の戦後人気といったようなものが、まだ子供の、足利若御料のほうへのみ傾いて、鎌倉入りの大戦が、いかに新田軍一手の功にあったかを、庶民もよく知ってないようなのだ。――そこで彼らは、この機とばかり、まわりに見える弥次馬へも、演舌するような口調で、足利若御料の周囲を漫罵したあげくに、