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Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記 (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.598 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

「早いのう。もう七年か……。藤夜叉や不知哉丸の上にも同じ月日が流れていよう」

「されば、お二人様にも、その後は一色ノ庄でおつつがなく。そして曠れて御対面のかなう日を、今日か明日かと、お待ちかねでおられまする」

「いや、まだそんな時ではない。――右馬介。そちは摂津の住吉で名も具足師の柳斎と変え、都の情勢を窺ッては、それを弟の直義へ、常々、知らせてくれていたが、その都度の便りは、この高氏も見ておったぞ。……藤夜叉や不知哉丸の身をよう守ッてくれたのみならず、長年の隠密の働き。あらためて、礼をいうぞ」

「では、ご勘当も、やッとおゆるしを得ましょうか」

「ばかを申せ。あれや初めより、高氏もそちの本心を知ってのこと。そちも高氏の腹をわきまえてのこと。いわばかりそめの世間態だ。……しかしナ右馬介、まだしばらくは勘当のままの方が、何事にも都合がいい。まだ勘当は解くまいぞ」

「されば、曠れての帰参は、てまえにしても、他日に願わしゅうぞんじまする」

「して、いまどこに身を潜めておるのか」

「はや具足師柳斎の隠れ蓑も、住吉の店もあぶなくなりましたので、御領家の丹波篠村(しのむらとも)へ巣を変えておりますうち、宮中、叡山などのうごき、いよいよ、いつなんどきとも知れぬ雲行きです。