Japanische Klassiker mit Furigana
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あきのかご
秋の駕籠
山本 周五郎
Lesen Sie 秋の駕籠 (あきのかご) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.356 Zeichen · 35 Bildschirme
「済まないが勘定をしてくれ」
「あら、また怒ったの」
「帰るから勘定してくれっていうんだ」
「怒るんなら怒んなさいよ」お梅は立ちながら云った、「半月も喧嘩をしているくせに、ちょっとなにか云うとすぐおれの友達だって、そんなに友達おもいなら喧嘩なんかしなければいいじゃないの、いくらでも云ってあげるわ、中さんなんか女の腐ったみたいでいやみでにやけた銀流しよ、あんなひと大嫌いだわ」
そして帳場のほうへ去った。
「ほんとですよ、お世辞なんか云わないよ」小座敷で男が云っていた、「あたしはおよのちゃんに首ったけだよ、お世辞ぬきで本当におまえさんとひと苦労してみたいね、ええ、ほんとうですよ」
六助はおそろしく苦い顔をして、残りの酒をぐっと呷り、手の甲で口のまわりを拭いた。すると、伸びている濃い髭が、じゃりじゃりと音を立てた。お梅がこっちへやって来た。
「ひでえことを云う娘だ」
六助は外へ出ると少しよろめいた。
「ひでえ娘だ」傘をひろげながら、彼は口の中で呟いた、「だんだん口が悪くなる、まえにはあんなじゃなかった、まえには、去年だってもっと温和しかった、おと年はもっとすなおだった……どうすればあんなになるのだろう、中次のことを好いてると思ったのに、……わけが知れねえ」