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Japanische Klassiker mit Furigana

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あきのかご

秋の駕籠

山本 周五郎

Lesen Sie 秋の駕籠 (あきのかご) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.356 Zeichen · 35 Bildschirme

Aozora Bunko

二

二

六助と中次は棒組の駕籠屋であった。かれらは南八丁堀二丁目の、与兵衛店という裏長屋に住んでいた。

六助は肥えていた。年は二十七であるが、うっかりすると四十くらいにみえた。固ぶとりで毛深くて、あぶら性で、太い眉毛や大きな眼や鼻のまわりに、いつも膏を浮かせていた。唇は厚いが、両端がひきしまっていて、形はかなり良かった。北八丁堀の「魚金」のお梅などは、六さんの唇を見ていると吸いつきたくなる、と云うぐらいであった。尤もそれは六助をてれさせ、同時に中次の妬心を唆るのが目的らしいが、……彼の顔は髭だらけであった。顔の下半分が黒くて硬い毛に埋まっていた。しかし彼はそれを剃らなかった。毎朝いちど、鋏で二分くらいに刈るのであった。

――どうして剃刀を使わねえんだ、初めのころ中次がそう云った、――なぜそんなに不精ったらしくしておくんだ、はったりを利かせるつもりか。

六助はにやにや笑って、それから悠くりと答えた。

――これにはわけがあるんだ、これをきれいに剃るわけにはいかねえんだ。よっぽどの事がねえ限り、こいつはこのくらいにしておかなくちゃならねえんだ。

そして胸毛を撫でた。