Japanische Klassiker mit Furigana
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あるゆうかくでのできごと
空にむかひて
若杉 鳥子
Lesen Sie 空にむかひて (あるゆうかくでのできごと) von 若杉 鳥子 (わかすぎとりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.677 Zeichen · 46 Bildschirme
3 情死者の葬式
ブツリ、ブツリ、という音だ、はて何の音だろう――からだ中の神経をそばだてて聴いた。畳に何か通すような音だ!
気丈なその女は、すぐに何か直感したが、それが生命の問題であると知ると、自分で自分の心を圧し沈めて、今夢から覚めた風をして身動きをした。
そして落ち着き払って、枕頭の煙草盆をひきよせて、一服ふかして、
『あんたまだ起きてたの、私は咽喉が渇いてめが覚めたんだけれど、あんたもお茶を飲みたかないか、いま階下へいって持って来てあげよう』
その女は努めて落ちつき払っていいながらも、客に警戒しいしい床を脱け出した。
何気ない風を粧って階段を下りはしたが、下へ降りると一時に気が狂ったように大声で、
『大変です、大変です、救けて下さい!』
と怒鳴りながら楼中のものを起こした。
その女は幸いにも危うく死の道連れをまぬがれる事ができた。
後できくと、ブツリ、ブツリという音は、客が愈々心中を実行する場合に、女を篭の虫のように遁さない用心から、蚊帳の周囲を畳の目へ、釘で止めてゆく音だったという事である。
3 情死者の葬式
また、私はある時、情死した娼妓の埋葬される処を見た。