Japanische Klassiker mit Furigana
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わらうあくま
笑う悪魔
野村 胡堂
Lesen Sie 笑う悪魔 (わらうあくま) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.687 Zeichen · 55 Bildschirme
「や、早坂君か、君は刀剣の鑑定が本当に詳しいのか」
花房一郎はうさんな顔を挙げました。その手には西洋風の両刃の剣が、血の付いたまま握られて居るのです。
「紙切ナイフと、出刃包丁の区別位ならわかる積りだが――」
早坂勇は遠慮の無い態度で、部屋の中へ入って行きました。
「ハッハッ、ハッ、それは宜い――千種君に一パイはめられたか」
花房一郎は面白そうに笑うのです。
その頃の警察と新聞記者は決して仲の良いものでなく、犯罪の現場などに、新聞記者を寄せ付けないのが捜査の常識でしたが、此場合は、東京ポストの社会部次長の千種十次郎が、客の一人として熊谷邸に居た為に、事件前後の実体を悉く知り、一番大切な証人であったばかりでなく、何んの仕合せか、花房一郎と千種十次郎は、銀座の呑屋で一緒になったのがきっかけで、十年来の親友であり、そして、お互の仕事の上にも、隔てなく助け合う仲だったのです。
「尤もその両刃の剣の鑑定なら、俺にだってわかるぜ」
「?」
足の勇の途方もない言葉が、花房一郎の注意を惹きました。
「俺はチラリと横眼で見て来たんだ、――そいつは階下の広間の入口に突っ立って居る、西洋の武者人形の腰から抜いて来たのさ」