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Japanische Klassiker mit Furigana

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わらうあくま

笑う悪魔

野村 胡堂

Lesen Sie 笑う悪魔 (わらうあくま) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.687 Zeichen · 55 Bildschirme

Aozora Bunko

処女心の秘密

「あの怪我をして入院して居る」

「兄貴が東京に居さえすれば、社の仕事の隙を見付けては、番町の病院に見舞に行って居たよ、――お蔭で有楽町の花屋が、時々総仕舞にされる」

「嘘を吐きやがれ」

虎井満十はまた鎌首をもたげました。この仁田四郎忠常に退治された富士の裾野の野猪のような男が、案外正直者で、名記者千種十次郎の崇拝者でもあったのです。

一としきり賑やかだった隣室の客は、洪水が引いたように帰ってしまって、カフェ「シレネ」は、まだ宵のうち乍ら、わざと鳴物を嫌って、深夜のような静けさです。

処女心の秘密

「勇、此処に居るのか、――見当はつけて来たが、おや、花房君も一緒か」

一陣の寒い風と共に、廊下から飛込んで来たのは、東京ポストの名記者、社会部次長をして居る、噂の千種十次郎でした。

「あ、それから拙者も居るよ、――丁度兄貴の噂をして居たところだ」

虎井満十は鎌首をもたげます。

「どうせ悪口だろう、先刻駅から北へ廻った時、続け様にくしゃみが出たよ」

「風邪でなくて幸せだ、まア一杯やるが宜い、旅の疲れが治るぜ」

早坂勇は、この闖入者にビールを呑ませる気で居るのです。

「同じことなら熱燗に願い度いネ」