Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにこんにゃくぼん
第二菎蒻本
泉 鏡花
Lesen Sie 第二菎蒻本 (だいにこんにゃくぼん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.739 Zeichen · 32 Bildschirme
まず引掛の昼夜帯が一つ鳴って〆った姿。わざと短い煙管で、真新しい銅壺に並んで、立膝で吹かしながら、雪の素顔で、廓をちらつく影法師を見て思出したか。
――勘定をかく、掛すずりに袖でかくして参らせ候、――
二年ぶり、打絶えた女の音信を受取った。けれども俊吉は稼業は何でも、主あるものに、あえて返事もしなかったのである。
〆の形や、雁の翼は勿論、前の前の下宿屋あたりの春秋の空を廻り舞って、二三度、俊吉の今の住居に届いたけれども、疑も嫉妬も無い、かえって、卑怯だ、と自分を罵りながらも逢わずに過した。
朧々の夜も過ぎず、廓は八重桜の盛というのに、女が先へ身を隠した。……櫛巻が褄白く土手の暗がりを忍んで出たろう。
引手茶屋は、ものの半年とも持堪えず、――残った不義理の借金のために、大川を深川から、身を倒に浅草へ流着いた。……手切の髢も中に籠めて、芸妓髷に結った私、千葉の人とは、きれいに分をつけ参らせ候。
そうした手紙を、やがて俊吉が受取ったのは、五重の塔の時鳥。奥山の青葉頃。……
雪の森、雪の塀、俊吉は辻へ来た。
五
八月の末だった、その日、俊吉は一人、向島の百花園に行った帰途、三囲のあたりから土手へ颯と雲が懸って、大川が白くなったので、仲見世前まで腕車で来て、あれから電車に乗ろうとしたが、いつもの雑沓