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Japanische Klassiker mit Furigana

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そろばんがこいをかたるはなし

算盤が恋を語る話

江戸川 乱歩

Lesen Sie 算盤が恋を語る話 (そろばんがこいをかたるはなし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.096 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

「ここへ算盤をお出しになるの、あなたでしょ。もう先からね。あたしどういう訳だろうと思っていましたわ」

Tはギックリしましたが、ここでそれを否定しては折角の苦心が水のあわだと思ったものですから、満身の勇気をふるい起してこう答えました。

「ええ、僕ですよ」

だがなさけないことに、その声はおびただしくふるえていました。

「あら、やっぱりそうでしたの。ホホ……」

そうして彼女はすぐ外の話題に話しをそらしてしまったことですが、Tにはその時のS子の言葉がいつまでも忘れられないのでした。彼女はどういう訳であんなことをいったのでしょう。肯定の様にもとれます。そうかと思えばまた、まるで無邪気に何事も気づいていない様でもあります。

「女の心持なんて、おれにはとても分らない」

彼は今更の様にたん息するのでした。

「だが、ともあれ最後までやって見よう。たとえすっかり感づいていても、彼女もやっぱり恥かしいのだ」

彼にはそれが満更うぬぼれの為ばかりだとも考えられぬのでした。そこで、その翌日、今度は思い切って、

「二十四億六千三百二十一万六千四百九十二円五十二銭」

とおきました。「ケフカヘリニ」