Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふんにょうたん

糞尿譚

火野 葦平

Lesen Sie 糞尿譚 (ふんにょうたん) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.974 Zeichen · 99 Bildschirme

Aozora Bunko

拍手が起り、すると、花火があがって、何か沸々とたぎるような音がしはじめ、眼下に見下される町の中から叫喚の声がとどろきはじめると見る間に、町は沸きたち、あふれ上って来た黄金の糞尿の流水の中に沈みはじめた。溺れ、救いを求める人々の中に、彦太郎は、汲取り方が悪いから金を払わんと云った会社員の顔や、家族が減ったから十銭引きなさい、でなかったら他の者に頼むから、と云った果物屋の主婦さんの顔や、を見た。ごうごうと音立てて溢れたつ糞尿の中に、またたくうちに町は沈没してしまい、折から上って来た太陽が黄金の上に反射して美しく輝いた。久太郎が猿のように歯をむき出して笑う声に、ひょっくりと彦太郎は眼を覚ました。まっ暗なので、彼はまだ夢を見ているのかと思ったが、手探りで電燈のスイッチを捻ると、巨大な昆虫のうずくまったように、緑のペンキで塗ったトラックが眼の前に浮かび上った。彼は、何故か、こみあげて来る笑いをどうしても押えることが出来ず、にやにやと唇をほぐし、とうとう腹をゆすって大声で笑い出した。

日がかげってから家を出た赤瀬春吉は、窓の外に秋を告げるような蜩の声を聞きながら、首だけ出して、湯の中に浸っていた。