Japanische Klassiker mit Furigana
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さいきこうい
細木香以
Lesen Sie 細木香以 (さいきこうい) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.332 Zeichen · 45 Bildschirme
花山は援を茶弘に求めた。茶弘は新橋界隈に幅を利かせていた侠客で、花山が親分として戴いていたのである。
茶弘は花山の請を容れた。筵会の場所は自分の縄張の内である。単身これに赴いて将に屈辱を受けんとしているものは自分の子分である。この請を容れぬわけには行かない。しかし何の手段を以てこれを救おうか。茶弘はこう考えて、最も簡易な買収の法を取った。後藤の取巻一同には茶弘の祝儀包が配られた。
紫玉は包を座上に抛って茶弘を罵った。後藤が折角の催もこの殺風景のために興を破られて客は程なく散じた。
香以は累を後藤に及さんことを恐れて、翌日紫玉を家に呼んで諭した。紫玉をして罪を茶弘に謝せしめようとしたのである。しかし紫玉は聴かなかった。材能伎芸を以て奉承するは男芸者の職分である。廉恥を棄てて金銭を貪るものと歯するは、その敢てせざる所である。紫玉が花山を排したのは曲が花山にあったのである。紫玉が祝儀を卻けたのは曲が茶弘にあったのである。紫玉は堅くこの説を持して動かなかった。
香以は已むことを得ぬので、人に託して後藤と茶弘との和解を謀った。二人は久保町の売茶亭に会見して、所謂手打をしたそうである。