Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.628 Zeichen · 371 Bildschirme

Aozora Bunko

雪子が出帆の時間を尋ねると、夜の七時と云うことだったので、それならまだ四時間足らずあるから、ニュウグランドのお茶にでもと思ったけれども、お茶には今から早過ぎるので、いっそ東京まで来ないであろうか、電車の往復が一時間と見て、三時間ほど余裕がある訳だから、自動車で一と廻りすれば丸の内辺を見物することぐらいは出来る、と、そう提議した。と云うのは、ペータアは勿論、父のシュトルツ氏もまだ東京へ行ったことがないことを、雪子は知っていたからであった。するとシュトルツ氏はやや躊躇する体であったが、大丈夫ですか、大丈夫ですかと、二三度念を押してから承知した。四人は直ぐに桜木町へ乗り付けて、有楽町で下り、最初に帝国ホテルでお茶を飲み、四時半にホテルを出て、一時間の予定で自動車を飛ばした。先ず二重橋前に行って、車から下りて最敬礼をし、陸軍省、帝国議会、首相官邸、海軍省、司法省、日比谷公園、帝国劇場、丸ビル等々を、或は車の上から、或はちょっと降りたりして、最大急行で見物し、五時半に東京駅に着いた。そして雪子と悦子とは、もう一度横浜まで附いて行って、出帆を見送るつもりであったが、シュトルツ氏が再三辞退することでもあり、その日は早朝から活動しているのにこの上帰りが遅くなっては悦子を疲らせる心配もあるので、先方の云うままに東京駅頭で