Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.628 Zeichen · 371 Bildschirme
けれども、ここ暫く機会がなくて過ぎていたところ、鏡獅子を見た数日後に、二三日の予定で立つことになった。
出かける時はいつも急なので、幸子はそれを前日の午後、他の用件で事務所から電話が懸ったついでに聞かされたのであったが、どう云う風に話して貰ったものか、よく考を練って置く必要があるので、仕事部屋へ行っている妙子を呼び出して、直ぐに帰って来るように命じた。と云うのは、一人前の洋裁師になるために仏蘭西へ修業に行きたい、と云う妙子の願望にはもう一つ奥があって、なぜ洋裁師になりたいかと云えば、将来奥畑と結婚した時に、自分が奥畑を養って行く場合が起りそうだから、―――と云う前提に基づいているのである。そこで順序を蹈むとすれば、その前提条件、奥畑との結婚から承認して貰うことが先決問題なのであるが、そうなると事が面倒で、今の間には合わないであろうし、取次をする貞之助も、そう云う重い使命を負わされることは厭がるであろう。又妙子としても、さしあたり洋行さえ出来ればよいので、好んで事件を紛糾させたくはないのであるから、この際結婚の話は伏せて置く方が良策ではあるまいか。それならどう云う風に持ち込むかと云うと、自分は過去に恋愛問題で新聞にまで謳われてしまったのだから、僻む訳ではないが、立派な所へなんかお嫁に行けそうもない気がするので