Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.628 Zeichen · 371 Bildschirme
麻布の姉さんの話では、東京の寒さに馴れる迄には三年かかる、姉さんも東京へ移って来られて三年間は風邪を引きつづけたとのこと。それにつけても蘆屋のような土地に住んでいる幸子ちゃんは仕合せです
さて、先日はこいさんのことにつきお忙しき中を貞之助さんが態々見えられて段々とのお話まことに有難く、いつもながら妹たちのことで御心配をかけ済まない気持がしております。実はもっと早く御返事する筈でしたが、例の通り毎日子供の世話に追われ落ち着いて筆を執る暇がなくておくれてしまいました。と申すのも、折角ながら兄さんの意見はあなた方に反対なので、つい書きづらく、一日延ばしに延ばしていたような次第です。悪しからずお赦し下さい
兄さんの反対の理由を一と口に云ってしまいますと、何もこいさんはあの新聞の事件についてそんなにいつ迄も引け目を感じるには及ばない。あんなことは八九年も前のことで、もう帳消しになっている。そのためにお嫁の口がないとか職業婦人になろうなどと考えるなら、それはこいさんが僻み過ぎる。身内の者をそう云っては可笑しいけれども、器量と云い、教養と云い、才能と云い、こいさんなら立派なお嫁さんになれることは請け合いだから、何卒くれぐれもひねくれた考を持たないようにと云うのです。