Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.628 Zeichen · 371 Bildschirme
こと、この三つの条件にさえ叶う人なら、外のことは問わない、と云うのであった。然るに板倉は、その条件が揃っているばかりでなく、なおよいことには、田舎に兄が三人もあるので、彼には親兄弟の面倒を見る責任がなかった。(今同居している妹は、家事や営業を手伝って貰うために呼び寄せてあるので、嫁を迎えれば帰すことになっていた)つまり板倉は本当の独りぼっちであるから、誰に遠慮もなく思う存分可愛がって貰えるので、それが妙子には、どんな家柄の、どんな資産家の夫人になるよりも、結局気楽でよいと云うのであった。
勘の早い板倉は、可なり前から妙子の気持を以心伝心的に悟っていたらしく、言語動作にそれを露骨に現わしていたが、それでも彼女がはっきりした言葉で意中を告げたのは、そんなに古いことではなかった。たしかあれは去年の九月の上旬、幸子が東京へ行っている留守の間に、奥畑に感付かれて一時二人が交際を差控える仕儀になり、その相談をしたことがあったが、その折始めて妙子の方から打ち明けたので、結果から云えば奥畑の干渉が一層二人を接近させてしまったのであった。板倉は、彼女の言葉が単なる恋愛の表示でなく、結婚の申込みであると分った時、ちょっと自分の耳を疑うようなドギマギした様子を見せたが、それはわざと殊勝らしく装ったのか、でなければ、彼も流石にそこ