Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.628 Zeichen · 371 Bildschirme
「水の時はどないでしたん」
「あの時は実に至れり尽せりで、あんな親切な、よう気の付く男ない思うて、つくづく感心してしもうた。こいさん、あれが身に沁みて嬉しかったんやな」
「それにしたかて、どうしてこいさんみたいな人に、あの男の低級さが分らんのんか、ほんまに不思議やわ。あたしがそれを云い出すと、こいさんたらムキになって、そない云うけどこう云うええ所もある、こう云う所もある云うて弁護するのんで、阿呆らしいなって来て。………あれでこいさんは、何と云うても娘ちゃん育ちで、人の好えとこあるさかいに、あんじょう円められてますねんわ」
「いや、こいさんはよう考えてるんねんで。まあ云うて見たら、ちょっとぐらい人間が低級でも、体が丈夫で、苦労に堪えられて、頼もしそうな男やったらええと云う、実利主義やねんな」
「自分でも、うちは実利主義で行くのんや、云うてますねん。………」
「そしたら、それも一つの考えようやないか」
「あんた、何云うてなさるねん、あんな男と結婚してもええ思うてなさるのんか?」
「そうでもないけど、奥畑と結婚するのんと孰方か云うたら、まだ板倉の方がええやろうな」
「あたしはそれと反対やわ」