Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.628 Zeichen · 371 Bildschirme
「サーヴィスやったら僕等も写して貰おうやないか」
「そうですなあ、一つ撮らして貰いましょかなあ。―――こいさんを中に挟んで、そこへ皆さんで列んで下さい」
「どんな風に列びましょ」
「旦那さんと御寮人さんと、こいさんの椅子の後にお列び下さい。―――そうですそうです、それから悦子娘さんはこいさんの右側に立って下さい」
「お春どんも入れて貰い」
と、幸子が云った。
「そんなら、お春どんは左側に。―――」
「東京の姉ちゃんがいやはったらええのになあ」
不意に悦子がそう云ったので、
「ほんに」
と、幸子も云って、
「後で姉ちゃんに知らしたげたら、どんなに残念がるやろか」
「何でお母ちゃん、姉ちゃんを呼んだげへなんだの。今日のことは先月から分ってたんやないの」
「そない思わんでもなかったけど、四月に帰って行ったばかりやさかいにな。―――」
ファインダアを覗いていた板倉は、幸子の瞳が急に微かに潤んだような気がしたので、はっとして顔を上げた。貞之助も同時にそれに心づいたが、でも、何のために妻の表情が俄にそんな風になったのか、―――あの三月の失敗以来と云うもの、折に触れては胎児のことを思い出して涙ぐむのが癖になっていて、時々それで驚かされることはあるにしてからが、今のはそれではないようであるし、ちょっと見当が付きかねる、―――こうして椅子に掛けている