Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.628 Zeichen · 371 Bildschirme
ほんとうに、何をさせてもこんな風に器用な妹なのであるが、………末っ児に生れて一番不仕合せに育ったせいか、自分達の誰よりも世故に長けていて、自分や雪子などの方が却って妹扱いされるくらいなのであるが、………自分は兎角雪子を不憫に思う余り、この妹を多少疎んじる傾きがあったのはよくなかった。もうこれからはこの妹も雪子と同じように思おう。勿論ひょんなことなんぞがある筈はないが、無事であってくれさえしたら、夫を説き付けて洋行にも行かして上げようし、奥畑とも一緒にさせて上げよう。………
おもてはすっかり日が暮れてしまって電燈の点らない夜が一層暗くひろがってい、遠くの方で物静かな蛙の鳴き声さえ聞えていたが、庭の葉越しにぱっと明りがさして来たので、幸子が縁側へ出て見ると、シュトルツ氏の家の食堂に蝋燭が点ったのであった。シュトルツ氏が何か甲高い調子でしゃべっているのに交って、ペータアやローゼマリーらしい声も聞える。彼等の一家は今打ち揃って食卓を囲みながら、父親と、息子と、娘とが、代る代る今日の冒険譚を母親に物語っているのでもあろう。幸子は隣家の幸福な晩餐の有様を、その蝋燭のまたたきに依って察しることが出来るにつけても、又不安が萌して来たが、その時ジョニーが芝生の上を走って行く足音がして、