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Japanische Klassiker mit Furigana

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るこうしんそう

縷紅新草

泉 鏡花

Lesen Sie 縷紅新草 (るこうしんそう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.566 Zeichen · 48 Bildschirme

Aozora Bunko

踏掛けて塗下駄に、模様の雪輪が冷くかかって、淡紅の長襦袢がはらりとこぼれる。

媚しさ、というといえども、お米はおじさんの介添のみ、心にも留めなそうだが、人妻なれば憚られる。そこで、件の昼提灯を持直すと、柄の方を向うへ出した。黒塗の柄を引取ったお米の手は、なお白くて優しい。

憚られもしようもの。磴たるや、山賊の構えた巌の砦の火見の階子と云ってもいい、縦横町条の家ごとの屋根、辻の柳、遠近の森に隠顕しても、十町三方、城下を往来の人々が目を欹れば皆見える、見たその容子は、中空の手摺にかけた色小袖に外套の熊蝉が留ったにそのままだろう。

蝉はひとりでジジと笑って、緋葉の影へ飜然と飛移った。

いや、飜然となんぞ、そんな器用に行くものか。

「ありがとう……提灯の柄のお力添に、片手を縋って、一方に洋杖だ。こいつがまた素人が拾った櫂のようで、うまく調子が取れないで、だらしなく袖へ掻込んだ処は情ない、まるで両杖の形だな。」

「いやですよ。」

「意気地はない、が、止むを得ない。お言葉に従って一休みして行こうか。ちょうどお誂え、苔滑……というと冷いが、日当りで暖い所がある。さてと、ご苦労を掛けた提灯を、これへ置くか。