Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぎみんじんべえ

義民甚兵衛

菊池 寛

Lesen Sie 義民甚兵衛 (ぎみんじんべえ) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.241 Zeichen · 25 Bildschirme

Aozora Bunko

(ふと、この家に来た用向きに気がついて、いいにくそうに)おきんさん。わしゃ、お頼みがあって来たんじゃがな。

おきん (すぐ警戒するような顔をして)何じゃ!

およし あのな、えらいいいにくい頼みじゃがな。お前とこの大根を、一本貸してもらえんかな。

おきん (黙っている)……。

およし 村中で、みんな羨んどる。おきんさんところじゃ、よう大根作ったいうてな。飢饉で何もできなかったのに大根だけはようできた。おきんさんは、よう気がついたいうてな。

おきん (大根を大切そうに包丁で、切りながら)おぬしには、この朔日にも一本貸してやったな。

およし ああそうそう。わしもよう覚えているでな。御時世がようなったら、十倍にも百倍にもして返そうと思っとるんじゃ。じゃけどな、おきんさん、わしはたびたび無心いいとうはないんじゃけどな、家の爺がな、二、三日前から、病いついてな。……食うものも食わんのじゃけに、病いつくのも当り前じゃがな。それでな、青物が食いたい食いたいいうて口ぐせのようにいうとるのでな。何ぞ、食べられるような草があるかと思うてな、野面を走り回ったけれども、冬の真ん中じゃで何もないんじゃ。