Japanische Klassiker mit Furigana
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たんでき
耽溺
岩野 泡鳴
Lesen Sie 耽溺 (たんでき) von 岩野 泡鳴 (いわのほうめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.597 Zeichen · 110 Bildschirme
「どうして、さ?」
「じゃア、誰れが受け出してくれるの? あなた?」
「おれのはお前が女優になってからの問題だ。受け出すのは、心配なくおッ母さんが来て始末をつけると言ったじゃアないか?」
「だから、おッ母さんが来ると言ってるのでしょう――」
それで分ったが、おッ母さんの来るというのは、女優問題でわざわざ来るのではなく、青木という男に受け出されるそのかけ合いのためであったのだ。
「あんな者に受け出されて、やッぱし、こんなしみッたれた田舎にくすぶってしまうのだろうよ」
「おおきにお世話だ、あなたよりもさきに東京へ帰りますよ」
「帰って、どうするんだ?」
「お嫁に行きますとも」
「誰れが貴さまのような者を貰ってくれよう?」
「憚りながら、これでも衣物をこさえて待っていてくれるものがありますよ」
「それじゃア、青木が可哀そうだ」
「可哀そうも何もあったもんか? あいつもこれまでに大分金をつぎ込んだ男だから、なかなか思い切れるはずはない、さ」
「どんなに馬鹿だッて、そんなのろまな男はなかろうよ」
「どうせ、おかみさんがやかましくッて、あたいをここには置いとけないのだから、たまに向うから東京へ出て来るだけのことだろう、さ」