Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はだいろのつき

肌色の月

久生 十蘭

Lesen Sie 肌色の月 (はだいろのつき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 50.706 Zeichen · 101 Bildschirme

Aozora Bunko

「石倉は君代の弟だ……トンネル会社へ融資する形式で隠しこんだ資産を、捜査二課では三千万から六千万の間と踏んでいるらしいが、どんな操作をしたって、そんな芸当ができるわけはない。その十分の一もあればいいほうだ、わずかばかりの隠し財産に執着して、時効年まで逃げまわるなんて、バカな話だと思うんだが、世間ではそろそろ忘れかけているのに、下手に捕って、むしかえされるのではかあいそうだという気持もあった……企画は、まったく他愛のないようなことなんだ……兄が乗り捨てたプリムスが豊橋のガレージにある。それでロッジへ乗りつける。煖炉をたいて煙突から煙をだす。石倉はそれを見るなり吉田へ行く。その日、湖水の近くにいなかったというアリバイをつくるために、知合いの家に泊って、翌朝、早く帰ってくる。私は夜明け前、ボートで対岸へ行って、バンガローに隠れている。石倉がいいころにハイヤーを廻してよこす。修善寺へ抜けて、夕方の汽車で名古屋に帰る……」

「バンガローに行きたいといったのに、行かせなかったのは、そういう事情があったからなのね」

「お察しのとおり……夕食後、君は散歩に出て、一時間ほどして帰ってきた……十一時頃、私が二階から降りると、君は病的な鼾をかいて、長椅子で昏睡していた。