Japanische Klassiker mit Furigana
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はいたい
胚胎
宮本 百合子
Lesen Sie 胚胎 (はいたい) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.077 Zeichen · 55 Bildschirme
これ! 頭よ、
いつもよりまいてかしこくなってお呉りゃれ。
ややしばらく沈黙。
ゆるやかな歩調で部屋を歩き廻る。
雪が降り出した音がサラサラ……サラサラと響く。
王 やや、何と申す? あやまれ? これ頭よ! はっきりと澄んだ眼をよう見開いて答えて御呉りゃれ、わしはの、あやまる事は大のきらいなのじゃ。
人に頭を下げるのがきらいなのじゃ。これまでわしはそれを致さいでも事がすんで居ったほど賢うてあったのじゃからの。
前よりも粉雪の音ははげしく炉の火はすっかり絶える。
王は前よりも早くいらいらした調子に部屋を歩いて無意識にまどによる。
王 おお降るわ! あの降りしきる雪の様にわしの心にも快い智恵が降りつもって呉れる事をのぞむのじゃ。
王は低くうなる様に云って炉を見て急に寒さを感じた様にひろい衿をかきあわせる。
王 わしはさっきからもういつもになく永い間考えたのじゃ、
一つ事をしみじみとのう。
わしのいつもの頭は今日よりは賢くてあった筈じゃが今日はどこの隅をせせっても、
あやまれ
と不吉な声で申すより考えが顔を出さぬのじゃ。
あやまれ
と申すのじゃ、法王に――
わしの生れて初めてきいた言葉、今までに一番わしをおびやかいた言葉なのじゃ。