Japanische Klassiker mit Furigana
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はいたい
胚胎
宮本 百合子
Lesen Sie 胚胎 (はいたい) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.077 Zeichen · 55 Bildschirme
人々は戸口に恐れた様にひざまずいて仕舞うのを法王は泣く様な無理な笑顔をして居る。
老爺が群の一人に何か話すわきからせかせかしながら、
老婆 ほんのこったぞ。
これ皆の衆。
御勿体ない、法王様は御病気でござらしゃるだに皆を祝福してやるとこらえてああやってござらしゃる。常ならば、はるばる参らねばお衣のはじさえようおがめぬに斯うやって――
ああ、ああ、ほんにほんに――
第二の若僧に手を引かれて一番先に居た老人が法王の前にひざまずく。
細かく体をふるわして居る。
老人 はあ、恐れ多い事でござりまする。愚か者がしらぬ間に犯した罪はさぞ数多いことでござりましょう。
法王はやせて骨の目立つ手を老人の毛のうすい頭にのせて黙祷する。
それから順々に二言三言感謝の言葉をのべるものや、中には狂的に法王の手を接吻したりさすったりして祈るものがあるかと思えば、身の浮くほど泣くのも居る。
十九番目に母親に抱かれて法王の前にすわった小さい男の子は起ちあがるとすぐ、
阿母ちゃん。
ひやっこい、かたいお手々だよ!
と叫ぶ。母親はすぐその子の頭を胸に押しつけて仕舞う。
それと同時に扉が静かに開いてキョトキョトした落つかない口調で老爺が云う。