Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じゆうじん

自由人

豊島 与志雄

Lesen Sie 自由人 (じゆうじん) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.030 Zeichen · 139 Bildschirme

Aozora Bunko

「小父さま、これから淋しくおなりなさるわね。」

「菅原君がいなくなるからかい。なあに、もともとだ。初めから臨時のつもりだったんだ。」

「わたし、時々伺うわ。絵も勉強するつもりよ。」

「お父さんが、どうやら病気らしいじゃないか。そんなに出歩くわけにもゆくまい。」

「大丈夫よ、八重子さんがいるから。八重子さんて、この頃まったく感心よ。いつもお父さまの側につきっきりなの。そしてめちゃくちゃに編物ばかりしてるのよ。毛糸の玉を幾つもころがして、手袋だの靴下だの、帽子だの、スエータだの……今に外套まで編むんだと言い出すかも知れないわ。そりゃあ器用よ。一つの編み方を幾通りにも応用するの。そして夢中になってるかと思うと、お父さまがちょっと身動きなすっても、すぐ御用をしてあげるのよ。言われない先にお父さまの気持ちを察してしまうのね。八重子さんが側にいないと、お父さまはよけい淋しそうなの。今も八重子さん、お父さまの側で編物をしてるんでしょう。」

北村の眼に涙が浮んできた。それを怪訝そうに千重子は見守った。

「酒に酔ってくるとね、私も君のお父さんと同様、感傷癖に囚えられるんだ。