Japanische Klassiker mit Furigana
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はなよい
花宵
山本 周五郎
Lesen Sie 花宵 (はなよい) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.938 Zeichen · 18 Bildschirme
とお云いなすった。おれは驚かなかった、だっていまの母上のほかに母上があるなどとは想像もできやしない、……ただ父上が亡くなってから」清之助はそこでちょっと云いよどんだが、すぐにいつもの活溌な言葉つきで、
「……おまえにだけ母上がきびしくおなりなすった、おまえは自分の叱られることを悲しがっていたが、おれは却って叱られるおまえがうらやましくてしようがなかった、生まれてはじめて『おれは継の子だから叱って戴けないんだ』と考えるようになった。そしてどうかして叱って戴けるようにと思って、おまえに意地悪をしたり乱暴したりしたんだ」
「瀬川のお祖父さまに知れたらどんなに怒られるだろう」
清之助はこつんと自分の頭へ拳骨をくれた。
「今朝おまえを叱っていらっしゃるのを聴いて、おれは母上のお心がはじめてわかった、『清之助は森脇の家を継いで、一生母のそばにいられるからよい、おまえは分家して世間へ出るからきびしく育てるのだ』そうおっしゃるのを聴いたとき、おれは自分が恥ずかしくて涙が出てきた。そしてこんな単純なおなさけさえわからず、あべこべに母上をお恨み申していたかと思うとまったく自分がいやになった」