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Japanische Klassiker mit Furigana

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あぢさい

花火・来訪者 他十一篇

永井 荷風

Lesen Sie 花火・来訪者 他十一篇 (あぢさい) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.046 Zeichen · 104 Bildschirme

Aozora Bunko

馬琴に至って初めて「船蟲」を発見し得るが、講談としては已に鬼神お松その他多くの例証を上げ得るであろう。黙阿弥はその以前とその時代とに云伝えられた毒婦を一括して、これに特種の典型を付し、菊五郎と源之助との技芸化を経て、遂に一時代の特色を作らしめた天才である。毒婦は如何なる彼の著作にも世話物と云えば必ず現われて来る重要なる人物で、観客は、この人物の悪徳的活動範囲の広ければ広いだけ、所謂芝居らしい快感と興味とを多く感ずるのである。そして勧善懲悪の名の下に、一篇の結末に至って、これ等の人物が惨殺もしくは所刑せられるのに対して、英雄的悲壮美を経験するのである。

毒婦の第一の資格は美人でなければならぬ。それも軽妙で、清洒で、すね気味な強みを持っている美人でなければならぬ。それ故、毒婦が遺憾なくその本領を発揮する場合には、観客は道義的批判を離れて、全く芸術的快感に酔い、毒婦の迫害に遭遇する良民の暗愚遅鈍を嘲笑する。「木間星箱根鹿笛」と云う脚本中の毒婦は、色仕掛で欺した若旦那への愛想尽しに「亭主があると明けすけに、言つて仕舞へば身も蓋も、ないて頼んだ無心まで、ばれに成るのは知れた事、云はぬが花と実入りのよい大尽客を引掛に、旅へ出るのも有りやうは、亭主の為めと夕暮の、涼風慕ふ夏場をかけ、湯治場近き小田原で、宿場稼ぎの旅芸者