Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
わかとのじょなんき
若殿女難記
山本 周五郎
Lesen Sie 若殿女難記 (わかとのじょなんき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.611 Zeichen · 45 Bildschirme
「助けてくれ紋太夫、こいつをどうにかしてくれ、おーい金吾」
「金吾なんか来たら、ひっちゃぶいてやるから」腰元は追いまわしながら叫ぶ。「どうしたって今夜という今夜は、ええ口惜しい」
いやどうも紋太夫、口が渇き眼がちらくらして暫らくは声も出なかった。しかし彼は智恵のある男だった。女性たちがこのように燃え上っては手はつけられない。それはちょうど一片の肉を争う猛獣の群に等しく、うっかり中へはいるとこっちがずたずたに引き裂かれてしまう、現に腰元のひとりは、「金吾なんかひっちゃぶいてやる」と云ったくらいではないか。これを鎮めるには肉を与えるより他に方法はない、少なくとも目的の肉が得られるという可能性を与えなければだめだ。
「みんな鎮まれ」紋太夫は天床板も裂けよと呶号した。「そしてここへ一列に並べ、公平に籤引きだ」
籤引きという一言は効果的だった。彼女たちはとっ組合いをやめ、髪のり合いをやめ、引掻きっこをやめた、そしてわれ先に駈けて来て、紋太夫の前へ並んだ。――三人、五人、七人、なんと十七人ござるぞ。「うーん」紋太夫は唸って若さまの顔を見た。若さまは両手をひろげて肩をすくめ、「済まねえ」