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Japanische Klassiker mit Furigana

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くさめいきゅう

草迷宮

泉 鏡花

Lesen Sie 草迷宮 (くさめいきゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.733 Zeichen · 142 Bildschirme

Aozora Bunko

これによって、われら守護する逗留客は、御自分の方から、この邸を開いて、もはや余所へ立退くじゃが。

その以前、直々に貴面を得て、客僧に申談じたい儀があると謂わるる。

客は女性でござるに因って、一応拙者から申入れる。ためにこれへ罷出た。

秋谷悪左衛門取次を致す、」

と高らかに云って、穏和に、

「お逢い下さりょうか、いかが、」

と云った。

僧は思わず、

「は、」と答える。

声も終らず、小山のごとく膝を揺げ、向け直したと見ると、

「ござらっしゃい!」

破鐘のごときその大音、哄と響いた。目くるめいて、魂遠くなるほどに、大魔の形体、片隅の暗がりへ吸込まれたようにすッと退いた、が遥に小さく、およそ蛍の火ばかりになって、しかもその衣の色も、袴の色も、顔の色も、頭の毛の総髪も、鮮麗になお目に映る。

「御免遊ばせ。」

向うから襖一枚、颯と蒼く色が変ると、雨浸の鬼の絵の輪郭を、乱れたままの輪に残して、ほんのり桃色がその上に浮いて出た。

ト見ると、房々とある艶やかな黒髪を、耳許白く梳って、櫛巻にすなおに結んだ、顔を俯向けに、撫肩の、細く袖を引合わせて、胸を抱いたが、衣紋白く、空色の長襦袢に、朱鷺色の無地の羅を襲ねて、草の葉に露の玉と散った、浅緑の帯、薄き腰、弱々と糸の艶に光を帯びて、乳のあたり、肩のあたり、その明りに、朱鷺色が、浅葱