Japanische Klassiker mit Furigana
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あらほうし
荒法師
山本 周五郎
Lesen Sie 荒法師 (あらほうし) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.734 Zeichen · 36 Bildschirme
つもりはないからだ」「お言葉ではあるが、それは違います」俊恵は耳へ口を寄せるようにして云った、「こなたに成仏するおつもりがあろうと無かろうと、人間は死ねばみな御仏の手に救われて成仏する、むろん経文などは読むまでもないが、しかしそれは」「黙れ、黙れ」再び武者は首を揺った、「……さようなたわ言は耳が汚れる、きさまにはおれの、おれのこの姿がみえぬか、おれは武士だぞ」「…………」「武士たる者は、たとえ死んでも成仏はせぬ、悪鬼羅刹となって、この領土と、御しゅくんを守護し奉るのだ、七たび、十たび、人間と生れかわって御しゅくんを守護し奉るのだ……」そう云いかけて、武者はおどろくべき力でくっと顔をあげた、「生きても死んでも、父祖の国土を守り御しゅくんを守る、これがもののふの道なのだ、おれだけではないぞ、きさまがいままで供養して来た者はみなそうだ、成仏しようなどと考える者はいちにんもおらぬ、……無用だ、無用だぞ御坊」それは瀕死の者のこえとは思えぬ烈しい叱だった、無用だ御坊という叫びを聞いたとき、俊恵は慄然としてそこへ立ち竦んだ、雷霆が頭上におちて瞬時にかれの骨肉を粉砕したかに思えた、かれはわれ知らず呻いた。