Japanische Klassiker mit Furigana
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あらほうし
荒法師
山本 周五郎
Lesen Sie 荒法師 (あらほうし) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.734 Zeichen · 36 Bildschirme
二
俊恵は鍬を打ちおろしながら呶鳴り返した、「……真如をさがしているんだ」それからすぐに続けて、「……世間にもなし、天空にもなし、地面の下にでもあるかと思って……」そう云った、その声はまるで泣いているようだったと、檀家の老人はあとで語った。
二
それからひとしきり「真如」という言葉がところのはやり物になった。俊恵の奇行はつぎつぎと絶えなかったが、ここでは精しく書いている必要はないだろう、こうして年が明け、天正十八年となった五月の末の一日である、慧仙和尚が方丈で客とはなしをしていると、小坊主のひとりが走って来てけたたましく和尚を呼びたてた、「方丈さま早く来て下さいたいへんです」「どうしたのだ」「俊恵さんがいま本堂で御本尊さまと喧嘩をしています」「……ばかなことを云うな」「本当なんです、御本尊さまと本当に喧嘩をしているんです」客がいるのでばかなことをと叱りつけたが、和尚はすぐに立って方丈を出ていった。
俊恵は本堂の須弥壇の前に立っていた。片手に経巻を持っているのはそれまで読経していたものであろう、須弥壇に向ってぬっくと立ち、右手をぐっと前へつき出しながら、本尊の釈迦如来像に大喝をくれていた、「……きさまは何処のなに者だ」