Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はなばなしきしゅんかん

華々しき瞬間

久坂 葉子

Lesen Sie 華々しき瞬間 (はなばなしきしゅんかん) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.114 Zeichen · 92 Bildschirme

Aozora Bunko

彼女自身仲々気がつかない。電車通りをすぎ、紡績会社の方へ曲った時、彼女は、そのこころよさが何であるか発見した。それは、仁科六郎の存在である。

三

「ねえ、女史はよしてね」

「どうして突然そんなこと云いだした?」

「あなたは、仲々仮面を取りはずさないみたいよ。だから、私まで女史を意識しなきゃいけないみたいで嫌。(早く生の彼を発見したいものだわ)」

「じゃあ何て呼ぼう」

「阿難」

「アナン、それ愛称?」

「ううん。誰も阿難とは呼ばないわ。私、ひとりで阿難って自分に名前つけてるの(実は今ふと思いついた名前なのだ。阿難陀は男だったかしら)」

「どうして」

「何となく」

仁科六郎は両腕に力をいれて、小麦色の肩のあたりを無意識にかんだ。抱かれているのは南原杉子である。

「ねえ、どうして此処へはいったのでしょう」

「わからない」

「あなたらしくないこたえね」

「もののはずみなんだ」

「ますますあなたらしくないわ。(先手をうたれたようだ)もののはずみって度々生じるんでしょう。しかも特定の対象に限らないのだ」

「じゃあ君はどうなんだ」

「阿難と云ってよ。私はもののはずみじゃない(本当はもののはずみかしら)」