Japanische Klassiker mit Furigana
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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme
K楼の、ほら、あの、なんとかいったねえ?」
と云われて、なんだ、彼女のことかと思った。
私は朋輩に頼んで彼女のもとに新聞を配達してもらっていたが、それはその後やめてしまっていた。それなのに、その月朋輩が勝手にまた新聞を入れて、そのうえ彼女の名宛で領収書を発行したのであった。それでその日なにも知らないおばさんが集金に行ってきたというわけであった。彼女はなにも云わず代金を払ってくれたという。
おばさんはまるで桜の花盛りでもほめるような仰山な口調で、
「綺麗な人だねえ。」
「よせやい。おばさんには敵わねえや。大袈裟だなあ。」
「あら、私はああいう人、好きだね。眼をカギカギといわせてね。」
「なんだい、カギカギって?」
「始終にこにこしているじゃないの。あの人はいいおかみさんになるね。気持もさくいようだし、所帯持ちだって悪くないよ。年が明けたら、あんたもらっておやりよ。」
「なに云ってんだい。」
おばさんは集金の勘定をしながらしきりに彼女のことをほめたてた。私は悪い気はしなかった。それは、云うならば、自分の身うちのいい評判を聞くような気持であった。私はおばさんから煽がれたかたちで、その晩彼女のもとへ行った。