Japanische Klassiker mit Furigana
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あしぶえ(ひとまく)
葦笛(一幕)
宮本 百合子
Lesen Sie 葦笛(一幕) (あしぶえ(ひとまく)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.908 Zeichen · 20 Bildschirme
第二の精霊 ほんにその通りじゃ。美くしすぎたのじゃ世の中すべての男に――
第三の精霊はうなだれてあっちこっちと歩き廻って居る。まわりには何となく重い気分がにじんで居る。
若い男は自分の老いた時の事を、老いた人達は自分の若かったことを思って居る。
三人ともだまったまんま木の間を行ったり来たりするうちに一番川に近い方に居る第二の精霊がとっぴょうしもない調子で叫ぶ。
第二の精霊 来る! 来る! ソラ、あすこに、私達の――
するどく叫んであとはポーッとした目つきで向うを見る三人の目が皆そこに集った。
白い着衣に銀の沓をはいてまぼしい様なかおをうつむけてシリンクスが向うの木のかげから出て来る。
かすかな風に黄金色の髪が一二本かるそうに散って居る。手には大理石の壺を抱えて居る。
何か考える様な風に見えて居る。
三人の精霊は一っかたまりになって息のつまる様な気持で一足一足と近づいて来る精女を見て居る。精女はうつむいたまんま前に来かかる。
第一の精霊 もうお忘れかネ、美くしいシリンクスさん。
少しふるえる様な強いて装うた平気さで云う。
精女 マア、――何と云う事でございましたろう、とんだ失礼を、――御ゆるし下さいませ。